企業のストーリーは「見つけただけ」では届かない。伝わる形にする5つの方法

多くの企業には、まだ語られていない物語があります。創業の背景、ものづくりに込められた思想、商品が生まれたきっかけ。そのようなストーリーは、ブランドの個性をつくる大切な要素です。
ですが実際には、その物語が十分に伝わっていないケースも少なくありません。社内には豊かな背景や想いがあるにもかかわらず、それが外に向けて語られる機会がないのです。
ブランドの背景や想いを丁寧に言葉にしたとしても、それだけで自然に広がることは多くありません。その物語をどんな形で届けるかが大切です。ストーリーは、文章、映像、写真、イベントなど、さまざまな媒体を通して初めて人に届きます。つまり、物語を見つけたあとには、それを「伝わる形」に変換するプロセスが必要になります。
この記事では、企業のストーリーをコンテンツとして活用し、ブランドの魅力を伝えていく5つの方法を紹介します。
ストーリーは「コンテンツ」に変換することで初めて伝わる
企業の物語は、それ自体が価値を持っています。ですが、その価値を社会に届けるには、伝えるための形が必要です。
たとえば、ストーリーは次のようなコンテンツに変換することで、多くの人の目に触れるようになります。
- 記事
- 映像
- 写真
- Webサイト
- SNS投稿
- 展示
- イベント
これらはすべて、企業や商品・サービスのストーリーを伝える器=メディアとなります。
例えば、職人の手仕事は文章だけでも伝えることができますが、映像や写真で見ることで、より臨場感を与えることができるでしょう。また、イベントや展示を通して実際に体験したり会話が生まれたりすることで、そのブランドへの印象はさらに強くなります。
物語は、伝える器(メディア)を得たときに初めて、人の記憶に残ります。ストーリーを見つけたあとは、それをどのようなコンテンツとして形にしていくかを考えていきましょう。
ストーリーを伝える5つの方法
では、企業のストーリーをどのように発信していけばよいのでしょうか。ここでは、ブランドの物語を伝える代表的な5つの方法を紹介します。
- ブランドストーリー記事やSNS投稿を制作する
- 映像で空気感を伝える
- Webサイトで世界観の旗艦を作る
- イベントや展示で体験してもらう
- メディアで継続的に発信する
ブランドストーリー記事やSNS投稿を制作する
最も基本的な方法が、記事やSNSの投稿としてストーリーをまとめることです。
文章記事では、次のような内容を丁寧に紹介することができます。
- 創業のストーリー
- 作り手の思想
- 商品が生まれた背景
- ブランドの歴史
文章として整理されたストーリーは、ブランドの理解を深める貴重な入り口となります。
また、文章記事を掲載することにはメリットもあります。まず、Webサイトに掲載された文章記事は、検索エンジン(SEO)に強いことです。企業名やブランド名を検索したとき、背景を知ることができる記事があると、ブランドへの信頼感が高まります。
さらに、文章記事は長く読まれ続けるコンテンツです。一度制作すれば、数年後でもブランドの資産として残り続けます。ブランドのストーリーをもとに作り上げているため、時代に合わせた大きな変更が必要になることも少ないでしょう。
拡散力のあるメディアとして、SNSでストーリーを発信するのもおすすめです。ブランドのストーリーを発信する第一歩として、記事制作やSNS投稿は非常に重要な方法といえるでしょう。
映像で空気感を伝える
文章では伝えきれないものを届ける手段として、映像も有効です。
例えば、ものづくりの現場には、次のような要素があります。これらの要素は、映像で届けることで初めて伝わることが多いものです。
- 手仕事の動き
- 工房の空気感
- 道具の音
- 空間への光の入り方
最近では、短いドキュメンタリー映像やショートムービーを制作する企業も増えています。制作風景を紹介する映像や、手仕事の音を収録したASMR動画なども人気があるでしょう。
手が動く音、道具が触れる音、光の入り方。映像は、言葉では伝えきれない空気感を届けることができます。ブランドの背景を立体的に伝える方法として、映像は最適なコンテンツといえます。
Webサイトで世界観の旗艦をつくる
ストーリーは、Webサイト全体の設計にも大きく関わります。Webサイトは単なる商品カタログではなく、ブランドの世界観を体験する場所でもあります。
例えば、ブランドストーリーや作り手の紹介、制作風景がわかるコンテンツ、プロジェクトの由来の紹介といったページがあることで、訪れた人は商品だけでなく、その背景にある価値観や文化を感じ取ることができます。そして、ストーリーがあるブランドほど、Webサイトにも深みが生まれます。
ストーリーを活用することで、Webサイトを単なる情報サイトではなく、ブランドの思想を伝えるメディアとして活かすことができるようになるでしょう。
イベントや展示で体験してもらう
ストーリーは、リアルな体験として伝えることも可能です。
例えば、次のような取り組みが考えられます。
- トークイベント
- 展示会
- ポップアップストア
- 工房見学
実際に作り手の話を聞いたり、ものづくりの現場を見たりすることで、ブランドのストーリーはより深く印象に残ります。
特にものづくりや手仕事の分野では、こうした体験型のイベントが大きな意味を持ちます。作り手の言葉や空間の雰囲気を通して、ブランドの思想が自然に伝わっていくからです。
ストーリーを「読むもの」から「体験するもの」に変えることで、ブランドとお客様の距離はぐっと近くなるでしょう。
メディアで継続的に発信する
もう1つ重要なのが、外部メディアを活用することです。
企業が自社サイトやSNSで情報を発信することも大切ですが、外部メディアで紹介されることで、ブランドは新しい視点を得ることができます。
例えば、次のような媒体で紹介されることで、ブランドのストーリーは第三者の視点から語られることになります。
- Webマガジン
- 雑誌
- 新聞
- YouTube
- テレビ番組
外部メディアで紹介されることで、客観的な信頼できる視点からの紹介として、ブランドへの信頼感も高まることでしょう。こうした積み重ねが、ブランドの信頼や認知をたしかに育てていきます。
ストーリー発信でよくある失敗
それでは、実際にストーリーを発信するときにありがちな失敗をおさえておきましょう。
- ストーリーを書いただけで終わってしまう
- SNSだけで発信してしまう
- コンテンツが単発で終わる
ストーリーを書いただけで終わってしまう
ブランドの背景を言語化したものの、それを発信する場所がないというケースです。ストーリーは、活用して世界観づくりに活かすことによって初めて意味を持ちます。
SNSだけで発信してしまう
SNSは拡散力がありますが、情報の流れが速く、過去の投稿は埋もれてしまいやすいです。また、投稿日が古いコンテンツは、信頼できるコンテンツとして見てもらいにくくなるでしょう。
長く読まれるコンテンツとして、Webサイトの記事や特集ページを用意することが大切です。
コンテンツが単発で終わる
一度記事を書いたり映像を制作したりしても、それだけで終わってしまうことも少なくありません。
ストーリーは、一度語って終わりではなく、時間をかけて育てていくものです。継続的に発信し、統一的に育てていくことで、ブランドの輪郭は少しずつ形になっていきます。
ストーリーを継続的に伝えるには「編集」が必要
ストーリーを伝えることは、単なる広報活動ではありません。ストーリーの活用には、編集の視点が必要になります。
以下のような点をおさえ、ストーリーを活用していきましょう。
- 何を語るのか
- どんな順序で届けるのか
- どのメディアで発信するのか
このような物語の設計があって初めて、人の心に届く形が見えてきます。
例えば、創業ストーリーを紹介したあとに、作り手のインタビューを掲載する。さらに制作風景の映像を公開し、その後イベントを開催する。こうした流れをつくることで、ブランドのストーリーは立体的に伝わっていきます。
ストーリーは、単発のコンテンツではなく、長く続く編集プロジェクトとして育てていとよいでしょう。
物語のあるブランドを、長く伝えていくために
多くの企業には、まだ語られていない物語があります。それを見つけ、言葉にし、適切な形で届けていくこと。その積み重ねが、ブランドの輪郭を少しずつつくっていきます。
ストーリーブランディングは、すぐに大きな成果を生むものではないかもしれません。ですが、時間をかけて丁寧に伝え続けることで、ブランドの世界観という唯一無二の価値は確実に育っていきます。
- ブランドのストーリーを言語化すること
- それを言葉や映像として編集すること
- メディアとして紹介すること
陽だまりもようは、このような形で物語のあるブランドづくりをお手伝いしています。
企業の中に眠る物語が、社会に伝わり、誰かの心に残る。そんな広報のかたちが、これからますます重要になっていくのではないでしょうか。
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