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クラフトって何? 手でつくる、その先にあるもの

「クラフト」という言葉は、日常のさまざまな場面で使われています。

雑貨店の棚、美術館の展示、イベントの告知文、SNS の投稿など……それでは、皆さんは「クラフト」の意味を説明することができるでしょうか?

手作りのもの?
温かみがあるもの?
職人が作ったもの?

どれも間違いではありませんが、それだけではどこかしっくりこない感覚があるかもしれません。
「クラフト」という言葉は色々なモノに当てはまりそうで、とても輪郭の曖昧な言葉です。

この記事では、そんな「クラフト」の意味を考え、深めていきます。

手で作っていればクラフトなのか?


「クラフト」という言葉には、「手仕事」のイメージが強く含まれているように感じるかもしれません。

たしかに、手で作られたものには人の気配が残りやすく、均一ではない表情が生まれます。ですが、実際には機械を使って作られているものでも、「クラフト」と呼ばれるものは多くあります。

そもそも「クラフト=craft」という言葉は、「技術」や「技巧」「手仕事」という意味を持つ英単語です。

そこから派生し、「工芸品」や「手芸品」、「民芸品」、「手工芸品」の意味で用いられるようになりました。さらには食品や飲料の分野で、職人の手作業によって小規模生産された商品を「クラフト商品」「クラフト〇〇」と呼ぶことも増えています。

そこで、「クラフト」という言葉を私たちなりに考えてみましょう。

「クラフト」とは、技術(技法)や熟練の技を要する手工芸品を指す言葉です。あるモノの特徴に焦点を当てれば、職人技、技術、機能性、独自のデザイン性を持つものを、クラフトと呼ぶことができるでしょう。

次に、素材や製法に焦点を当ててみます。木工、陶芸、ガラス細工、金属加工、革製品、布製品など、選び抜かれた素材を専門的な手法で扱ったモノも、クラフトといえそうです。

また最近では、ハンドメイドでものづくりを楽しんでいる方も増えています。その中でも、より技術的だったり、芸術的な表現が追求されているモノ、あるいは逆に、生活に根ざした実用品としてとことん考え抜かれたモノも、クラフトと呼ばれる可能性がありそうです。

「クラフト」と工芸・アート・ハンドメイドの違い

「クラフト」と似たニュアンスを持つ言葉に、工芸やアート、ハンドメイドがあります。それぞれどんな意味を持っているのでしょうか。

工芸

「工芸」は、専門的な技術や様式の継承を重視し、長い歴史の中で育まれてきた分野が当てはまります。陶芸や木工、織物などが代表的で、「商業的な価値」や「美的価値」が求められることが多いでしょう。職人が長年の技術を磨いて作り上げるものということができます。

意味が広がったクラフトの中に、「工芸」が含まれるといえるかもしれません。

アート

「アート」には視覚芸術や舞台芸術、文学なども含まれ、作り手の表現や思想そのものを中心に広げられます。クラフトは「実用性があるもの」「目的や機能を持って作られるもの」ですが、アートは『無用の美』として開花したもの」として、それ自体が役に立つかどうかは問題とならないものといえます。

ハンドメイド

「ハンドメイド」は本来「手作業で作られたもの」の総称で、非常に広い言葉です。今ではアクセサリーや衣類などを手作りすることを指すことが多いでしょう。

ハンドメイドは「手作業」の意味が強い言葉のように感じられますが、必ずしも道具を使わない純粋な手作業だけを指すわけではありません。はんだごてやニッパー、編み針、ミシンなど、手作業を補助する道具を使用した作品も、人の手による作業が主体であればハ
ンドメイドとして認識されます

対して「クラフト」はハンドメイドの中でも技術的な側面が強いもの(ハンドクラフト)を指すことが多く、原材料から独自の技術や表現を用いて制作するものが指される傾向があります。

広がるクラフト商品の世界

最近では、さまざまなクラフト商品が展開されています。なかでも「クラフト飲料」は、手軽に購入できて身近な商品が多いです。「クラフトビール」や「クラフトコーラ」を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ここでは、さまざまなクラフト商品をみていきましょう。

クラフトビール

「クラフトビール」とは、小規模なビール醸造所で作られる多様で個性的なビールです。原料から味までこだわりが詰め込まれていることが多く、香りや味の豊かさを楽しむことができるでしょう。

ちなみに、クラフトビールと地ビールは、ほぼ同義と考えられます。

クラフトコーラ

「クラフトコーラ」とは、レモンなどの柑橘類や様々な種類のスパイスが配合された個性的なコーラです。作り手によって異なる香りを楽しむことができます。

特定の地域の材料で作られる「ご当地クラフトコーラ」は、お土産にもぴったりです。

なぜ今、クラフトなのか

大量生産で作られた商品は、安価で、均一で、すぐに手に入り、私たちの生活を支える大切な存在です。

ですが、社会で失われつつある「温かみ」や「手作り感」を求める心理と、個性を重視する「こだわり消費」の傾向は伸び続け、クラフトブームが続いています。

大量生産品とは一線を画す作り手の手間暇や物語がクラフトの魅力で、大手メーカーの参入も増えています。

「クラフトを選ぶ」ということは、作り手のこだわり、ストーリー、そしてサステナビリティを日々の生活に取り入れることを意味するでしょう。大量生産・大量消費の時代にあえて手間暇のかかる小規模生産されたモノを選択する行為は、心豊かなライフスタイルへの転換点にもなるかもしれません。

クラフトを選ぶことは効率よりも「豊かさ」「自分らしさ」を優先し、生活にこだわりを取り入れた「暮らし」を見つめる行為といえます。

クラフトって、結局なんだろう

「クラフト」とは、一言でいえば「職人技や手作業によって、こだわり抜いて作られたモノ・技術」です。大量生産・大量消費の時代において、あえて工程・素材・品質を重視する考え方ともいえます。

質と独自の個性を追い求めた、愛着を持てるものづくりと“もの選び”が、クラフトなのかもしれません。

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